2015-01-01から1年間の記事一覧

夏と死と冬と生

雨が降るごとに少しずつ涼しくなって、気付けば鈴虫が鳴いている。昼に歩いた並木道にはアブラゼミの亡骸が転がっていた。 7月。梅雨の晴れ間に覗く青空を見つめて、これから起こる"何か"に胸を膨らませていた僕は、結局何も成さないまま今日も暗い部屋でモ…

イクラ丼とエゴイズム

イクラ丼をもちゃもちゃ食べた。とても美味しかった。 だけど、食べている最中にふと「この、ひと粒ひと粒が生命なんだな」ということに改めて気が付いて、少し落ち込んでしまった。生まれることすら許されない命を喰らって僕は今日も生きる。 僕は普段「生…

会議室の薄暗さによって、相対的に強化された、空の青、草木の緑。

その美しさに気が付いてしまった僕は 机の上で頭を抱えてうずくまることしか出来なかった。

蓄積される業

飲食店でアルバイトをしているから、この時期はよくゴキブリと遭遇する。まぁ当然捕まえて"処分"することになるんだけど、最近は別に殺さなくてもいいんじゃないかなと思って、自分しか気が付いていなければ、逃がしてやることにしている。そりゃまぁ自分の…

ユスリカの命

ユスリカという虫がいる。体長は0.5cmほどで、蚊柱の正体がこれだ。 この時期になると、よく室内にも入り込んでくる。僕の場合は特に大学の研究室がひどい。うっかりカーテンを閉めずに夜まで作業しているとそこら中にユスリカが現れて、本を閉じるのにも挟…

少年性が死ぬ前に

電車で、前に座っていた女子高生がチュッパチャプスを咥えていた。僕はそれを見て「あ、いつの間にか自分の少年性が死にかかっている」と危機感を覚えた。 幼い頃、チュッパチャプスは夢のキャンディだった。あのカラフルな包み紙の中には単なる飴玉以上の幸…

経済発展の先にあるものは

テレビで政治家が経済について話していた。GDPがどうとか、経済成長率がどうとか、正直僕はそんなことどうでも良かった。 人類は飽くなき発展を目指して今日も働くけれど、その先に何があるのだろうかと考えるとなんだか虚しくなってしまう。1969年7月20日、…

頭の中の浄土

僕は頭の中に自分の世界を持っている。具体的に描写するのはやめておくが、そこは現実世界ではあり得ないような光景が広がる場所だ。そこで僕は、あらゆる事象から解放されて安らぎを得ることができる。 行くのは大抵夜だけど、ふと気がつくと授業中なんかに…

ぼっちとは悪か

そろそろ新歓シーズンも終わりだろうか。 3限後や4限後の学校内には、様々な部活・サークルのジャージを着た人々が溢れていて、新歓の呼び込みに勤しんでいた。その呼び込みの中で、ひとつ気になるものがあった。 たぶんアメフト部だったと思うんだけど 「こ…

栄光の時代は過ぎ去って、もはや我々は死にゆくのみ

体感時間で言うならば、人生の折り返しは20歳とかそれくらいらしい。僕はいつの間にか死にゆく存在になっていた。 年を重ねるのが悲しくてたまらない。20代になった時なんて悲しくて悲しくて仕方がなかった。「男は30代が一番輝く」なんて言われることもある…

かつてピカピカの一年生だった何か

ピカピカの一年生とはよく言ったものだ。 今日から授業開始だったから、僕はリュックに荷物を詰め込んで学校へ向かった。近鉄で阿部野橋まで行って阪和線に乗り換えるんだけど、なんだか妙に混んでいた。どうでもいいけど、僕は電車では必ず座るタイプだ。そ…

残されたもの

大学生になって、5年目の春が来た。僕と一緒に入学した人々は、新社会人として去って行った。 窓を閉め切った薄暗い部屋でTLを眺める。先月、あんなに名残惜しく別れた仲間たちは、新しい環境で新しい仲間と楽しくやっているようだった。僕はどうしようもな…

いつの間にか、3月25日が過ぎていた。2年前の3月25日に僕は日本を発ったのだ。 あれから2年が過ぎた。今日は、初めて会社説明会に参加した。僕はリクルートスーツに身を包み、鋳型から生まれたかのような集団の一員となって、ペンを片手に座っていた。壇上で…

死んだらどうなる

3月20日の天声人語に、あの世を信じている若者が増えていると載っていたらしいので探してみた。 「天声人語」:朝日新聞デジタル 引かれているのは2013年の調査だ。20代の45%があの世を信じる一方、70歳以上は31%となっている。1958年の調査では20代が13%…

それでも僕は「就活なんて糞喰らえ」と叫び続ける。

僕は吟遊詩人になりたかった。詩を唄いながら諸国を放浪して生きてゆきたかった。だけど、冷静に考えてみると僕は楽器ができなかった。 一度グーグルで「吟遊詩人 なり方」で検索してみてほしい。見事にFF14の記事ばかりだ。僕は、ファイナルファンタジーを…

卒業旅行ではみんなヨーロッパに行くけど

「どうしてみんな卒業旅行でヨーロッパに行くのだろう」 卒業旅行シーズン真っ盛りですね。僕の周りでもかつての同級生たちが忙しそうに楽しそうにしているのですが、行き先としてはヨーロッパがダントツで多い。もう少し詳しく言うと西欧が圧倒的多い。 別…

何の意味も成さないこと

お久しぶりです。台湾から帰ってきました。 大阪から台北に飛んで、台北で自転車を買って台湾一周に挑戦しました。これが前回言っていた計画ですね。あともう少し着くのが遅ければ春節で店が閉まっていて自転車が買えないところでした。 僕は高一の終わり頃…

逃避行

前の記事から連続で更新なんですが、旅行行ってきます。(前の記事は格好いい感じで書きたかったので連絡事項だけ別で更新することにしました) 台湾に3週間行ってきます。台湾に旅行というとなんだかお洒落な雰囲気が漂ってきそうな感じではあるんですが、…

最高のトリップをキメる

旅は麻薬だ。 中学生の頃の足は自転車だった。どこへ行くにも自転車を漕いでいった。高校生になってバイクの免許を取った。一気に世界が拡がって、どこへでも行けると思った。部活に打ち込む傍ら、隣の県まで一人で出掛けてみたりした。大学生になって大型二…

ネット上では本性を現わすハードルが下がる

時々「怒らなさそう」とか言われたりするんだけど、そんなことはない。実際のところ、僕は全てのことに対して憤っている。電車で中途半端な位置に座っている人であったり、人混みでよそ見をしながら歩いてぶつかりそうになる人であったり、空いている教室な…

死にゆくものこそ美しい

オハイオのコロンバスから来たシティ・ボーイふたりは高校のフットボール選手で、ガムをくちゃくちゃと噛み、ウィンクをし、風に吹かれながら歌をうたっていた。この夏はアメリカをヒッチハイクしてまわるんだ、と言った。「LAに行くんだ!」と声をはりあげ…

日常をぶち壊せ

僕たちにとって日常は退屈なものだ。同じような一日が昨日も今日も明日も延々と続いてゆく。気が付けばもう二月。新年の浮かれた気持ちを引きずったまま、もう二月。僕たちはいつも何かデカい一発が来ることを待ち望んでいる。どうしようもない日常に刺激を…

自己愛性就活障害

就活のことについて考えていたんだけど、ひとつ気が付いたのは自分に労働意欲があるということだ。つまり、僕は就職はしたいけれど就職活動はしたくないということだ。なんとも虫のいい話だなと自分でも思う。どうしてこんな風になってしまったのかというこ…

僕は"良い子"だから遅刻なんてしない。

大学一年生の冬。僕は「授業に遅刻できない病」に犯されていた。朝起きると、どう考えても授業開始に間に合わない時間で、おそらく15分ほど遅刻してしまうだろうという時、僕はつい「……休もうか」といった具合で、再び布団に潜り込んでしまうのだった。 僕は…

生き損ないへの道

最近はというと、僕は小説ばかり読んでいる。少し前に部屋の模様替えをした。コンセプトは「読書のできる部屋」。今のところ、この試みは成功したと言っても良さそうだ。この前ブックオフオンラインで大量に本を買った。ブックオフオンラインはわりと綺麗な…

無責任な観衆

いかにも子どもっぽいというか、尖った中学生みたいな意見なんだけど、僕は人々が口を揃えて「受験生の皆さん頑張ってください!」みたいに言うことについて、どうも好感が持てない。もちろん僕だって受験生が後悔しないように自分の力を出し切ることができ…

完璧な存在

今日は思いがけず学校が休みになった。昼過ぎになってやっとベッドを抜け出した僕は、昼食を食べた後、ラジオを流して不味いインスタントコーヒーを飲みながら、沢木耕太郎の『深夜特急』を読み返していた。現代バックパッカーのバイブルとも言われるこの本…

ありのままの姿

足の毛を剃った。ふと思い立って脛や太ももに生えていた毛を全て剃った。足の毛を剃るのはこれが初めてではなくて、実は去年もこの時期に足の毛を剃っている。冬だったら毛を剃っていてもバレることはないのだ。 毛を剃ることのメリットは、なんと言っても気…

追い出されたもの

受験勉強中によく目にしたことばに「スキマ時間を有効に活用しよう!」というものがあった。電車の中や休み時間などのちょっとした時間に単語帳なり参考書なりを開いて勉強しようということだ。僕もそうした言葉に影響されて少しでも時間があれば英単語帳を…

2015

2015年は毎日日記を付けようと思っていたのですが、結局付けることはなく4日目に突入しております。 代わりにブログやります。 Twitterの140字では足りないほどの情熱が出てきたときのメモ書きとして活用したいと思います。