経済発展の先にあるものは

 テレビで政治家が経済について話していた。GDPがどうとか、経済成長率がどうとか、正直僕はそんなことどうでも良かった。

 

 人類は飽くなき発展を目指して今日も働くけれど、その先に何があるのだろうかと考えるとなんだか虚しくなってしまう。1969年7月20日、ニール・アームストロングが月に降り立った。それ自体はすごいことだけど、人類が月に到達したからといって、1969年における人類全体の幸福総量が1469年のそれより多いとは限らないんだ。

 現在に当てはめるともっとわかりやすい。勤めていた会社の業績が5年前と比べて10%良くなったとして、その個人は5年前より10%増しで幸せになったかというと、たぶんそんなことはない。

 人類全体が発展して、一体誰が幸せになるのだろう。ひとりひとりの個人はあくまで自分のために働いている。もっと言うとお金のために働いているだけだ。個人の幸せは、人類全体の発展と必ずしも相関関係にはない。ましてや、発展のために個人の幸福が削られては何の意味もない。