卒業旅行ではみんなヨーロッパに行くけど

 「どうしてみんな卒業旅行でヨーロッパに行くのだろう」

 

 卒業旅行シーズン真っ盛りですね。僕の周りでもかつての同級生たちが忙しそうに楽しそうにしているのですが、行き先としてはヨーロッパがダントツで多い。もう少し詳しく言うと西欧が圧倒的多い。

 別にヨーロッパに行くことを否定するわけじゃないんですけど、僕は個人的にはヨーロッパというのは今行く必要のない地域だと思うんです。"学生のうちに読んでおくべき本"が存在するように"学生のうちに行っておくべき国"というのも存在して、西欧の国々なんかはそれにあまり該当しないと思うんです。

 何故そう思うのかというと、やはり西欧は「予想の付く範囲が広い」のです。僕たちは様々な媒体を通じて西欧の情報を知りすぎているし、結局は現地に行って"確認作業"をするだけになってしまうんです。また、ヨーロッパと日本は文化の方向性が似ているということもあります。全く未知なる物との出会いが少ないんですね。

 はっきり言うけど、僕は卒業旅行でヨーロッパに行くということについて「"対外的なアピール"を含んでいるのではないだろうか」と疑っています。言い換えると、"リア充アピール"をするのに最も最適な旅行先がヨーロッパだからヨーロッパに行くという面も少なからずあるのじゃないかと疑っているんです。

 この2015年になっても依然としてヨーロッパへ行くことは一種の"ステータス"なのかなと思ったりもするんです。学生生活の最後に箔を付けるという魂胆が無いわけでもないのかなと。

 

 もちろん、今の時期にヨーロッパの文化に触れるということは、それはそれでとても意義のあることだと思います。そこを否定するつもりはないです。でも、それより優先順位の高い"今触れるべきもの"だってあるかもしれないんです。それが何かは個人によって変わるから僕が今ここで「ヨーロッパじゃなくて○○に行くべきだ!」なんてことは言えません。それは自分自身で考えるべきことですし、考えてほしいことです。多くの人は"今自分が本当に触れるべきもの"を探ろうとせず、「とりあえず」ヨーロッパへ向かっているような気がしてならないんです。もちろん、考えた結果ヨーロッパへ行き着く人もたくさんいるでしょうしそれなら僕は何も言いません。

 

 なんだかやたらと偉そうになってしまったけど別に非難しているわけじゃないんです。ただ、もっと色々な国に行く人が増えたら楽しいなと思って。それだけなんです。